集合住宅博物館

LAST UPDATE 2006.10.10


□■□□□ 南面重視配置....

 戦後の都市部への人口流入を受け容れるために、郊外ではニュータウン計画、団地計画が進められ、そこでは欧米の団地の住宅配置の影響を受けた。各住戸が均等に南面するように板状住棟を平行に配置する、画一的で単調な住宅地が形成されていった。
この平行配置のスタイルが都市部に浸食しても、南面配置の精神を重視しているので、L字型配置となるわけである。L字は南面する住戸を最大限確保するため、敷地南側の最も日照条件のよい場所で容積(住戸数)を稼ぐ配置である。
 このような形態の最大の要因は、日照を最大限確保した住戸を供給することによって、デベロッパが販売上のリスクを回避するためであるといえよう。ユーザサイドにも日照重視の精神が深く浸透しており、デベロッパサイドも、日照条件の悪い住宅は売りにくいとの判断から南面を重視した計画を繰り返す。その結果、ユーザサイドもそれが都心の住宅の姿として求めていくことが繰り返されることになる。
 郊外団地で生まれた南面指向が都心のマンション計画でも疑われなかった。都心では土地の少ないところで集まって住むことが求められるし、なによりも周辺環境との連続性も大切なはずである。そこで、敷地単位やグループ単位でしか満足されない南面指向がはたして都心の住宅にとって必要であったかどうかは考えられてよかったはずである。


□■□□□ 北側集中駐車場....

 南面重視配置の結果、敷地の北側には、駐車場群がみられる。平面式の場合もあるし、機械式2段、3段式のパーキングが設置されている場合もある。
 都市中心部の生活では、車をあまり必要としないだろうが、電車で30分程度都心から離れたようなところでは、生活の利便性や車社会へ対応するために、車と駐車場が重要な生活の道具になる。北側に駐車場が存在感強くみられるのも、まさに都心から30分程離れた立地である。
 駐車場を地下式できればよいが、技術的には可能であるが、残土処理や水処理コストが販売価格に大きく跳ね返ってきてしまう。建設コストを負担できない場合に、このような青空駐車場ができてくる。
 敷地の南側一杯に建てた住棟の影が、敷地の北側に落ちるが、そこが駐車場であれば、居住者にも許容されるだろうという判断があると考えられる。このような空間がどのような雰囲気をもっているかは、実際に訪れてみればよく分かる。
 敷地の南側はフルボリュームの住棟、北側は駐車場という開発が連続した街は、その街並みが不連続で景観は著しく悪いものになる。整った街並みをつくるための都市法や建築法は存在していなくて、そういった街並みを積極的につくろうという意識も弱いのが現実である。
 


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