― 今すぐ売らない人が注意すること ―
※スムラボの記事をきっかけに来てくださった方へ:この記事は、筆者が実際にマンション売却を経験した際の判断や迷いを、記録として整理したものです
マンションを「売るかもしれない」と考え始めたとき、最初につまずくのが不動産会社との距離感です
- まだ売ると決めていないのに、話がどんどん進む
- 査定を頼んだだけなのに、媒介契約の話が出る
- 「今が一番いい」と急かされる
その違和感の正体が、あとから「囲い込みだったのかもしれない」と気づく——
これは決して珍しい話ではありません
私はこれまでに3回、実際にマンション売却を経験してきました
そして4回目になる今回も「今すぐ売らない」という前提で査定を依頼する中で、あらためて囲い込みを避けるために意識すべきポイントがはっきりしました
この記事では、
- 囲い込みとは何か
- なぜ”気づきにくい”のか
- 売却前に売主が主導権を持つための考え方
を実体験ベースで整理します
囲い込みとは何か?──売主が不利になる仕組み
囲い込みとは、不動産会社が売主から依頼された物件を他社に紹介させず、自社だけで取引を完結させようとする行為を指します
なぜそうするかといえば、理由は明確です
売主・買主の双方から仲介手数料を受け取れる「両手取引」になれば、仲介会社の報酬は単純に2倍になります
この構造がある限り、仲介会社には他社からの問い合わせを避けたいというインセンティブが常に働いています
形式上は問題がないように見えても、結果として、
- 買い手の候補が限定される
- 売却期間が長引く
- 値下げ圧力が強まる
といった不利益が売主側だけにのしかかることがあります
厄介なのは、囲い込みが
「説明不足」
「善意のアドバイス」
「業界慣行」
の顔をして現れる点です
売主が仕組みを知らないまま進めば、不利な状態に置かれていること自体に気づけません
囲い込みについて「なんとなく不安」はあるものの、そもそもなぜ起きるのか、どこが問題なのかが整理できていない方も多いと思います
次の記事では、囲い込みが生まれる仕組みと現場でよく見られるパターンを売主目線で整理しています
なぜ囲い込みは「あとから気づく」のか
囲い込みが問題になりにくい理由はシンプルです
- 売却が成立すれば「成功」に見える
- 比較対象がない
- 他社の反応を知る機会がない
つまり、
「もっと良い条件があったかもしれない」という事実が、あとから検証できないのです
たとえば3,000万円で売れたとします
売主は「売れてよかった」と感じるかもしれません
しかし、もし他社経由の買主がいれば3,200万円で成約していた可能性があったとしても、その情報は売主の目には触れません
囲い込みの本質は「損をさせられた」ことではなく「比較の機会を奪われた」ことにあります
私自身、2回目と3回目は同じ仲介会社を利用してマンション売却を経験しています
ただ、最初の売却時は「こういうものだ」と思い、仕組みをよく理解しないまま進めていました
売却を重ね、査定の取り方・会社ごとのスタンスの違いを知るにつれ、売却は仲介会社が進めるものではなく売主が主導権を持つべきものだと感じるようになりました
「今すぐ売らない人」ほど、囲い込みを知っておくべき理由
売却を急いでいない人は、一見するとリスクが低いように思えます
しかし実際は逆です
「判断を保留している人」こそ、主導権を奪われやすいのです
その理由は、売主と仲介会社の間にある”時間軸のズレ”にあります
- 売主は「相場だけ知りたい」「将来の選択肢として検討している」「住み替えや働き方次第で判断したい」
- 仲介会社は「接点を持った見込み客を、できるだけ早く成約に持っていきたい」
売主が判断を先延ばしにしている間も、仲介会社側は「売る方向」に話を進めようとします
「まだ決めていない」と言っているのに専任媒介の話が出る、何度も連絡が来る——こうした動きは、悪意というよりも仲介会社のビジネス構造から自然に生まれるものです
このズレを認識せずに査定を依頼すると、知らないうちに
「売る前提の話」
「媒介契約の流れ」
に巻き込まれ、気がついたときには主導権が仲介会社に移っていた、ということが起こり得ます
囲い込みを避けるためのチェックリスト
囲い込みはあとから「やられた」と気づくケースがほとんどです
売却を決める前の段階で、最低限これだけは確認しておきましょう
①専任媒介を前提とした話になっていないか
査定段階で
「専任ならこの価格でいけます」
といった話が出る場合は注意が必要です
売却を決めていない段階で媒介契約の種類を決める必要はありません
②他社の査定を嫌がられないか
「他社は高めに言うだけ」
「うちだけ見れば十分」
こうした言葉が出る場合、比較されると困る理由があるのかもしれません
複数社の査定を嫌がる会社は、その時点で候補から外してよいと私は考えています
③レインズ登録の説明が曖昧でないか
「状況を見て登録します」
「売れなければ考えます」
レインズ(不動産流通機構のデータベース)に物件を登録すれば、全国の不動産会社が買主を探せるようになります
この登録について具体的な説明がない場合、他社からの問い合わせを避けたいという意図が隠れている可能性があります
④「今すぐ売らない」という選択を否定されないか
「今が一番いい」
「待つと下がる」
こうした言葉が強すぎる場合、売主から主導権を取ろうとしている可能性があります
相場のピークを正確に予測できる人はいません
タイミングの判断は、最終的に売主自身がすべきものです
⑤査定価格の根拠が数字で説明されているか
- 成約事例(実際にいくらで売れたか)
- 競合物件(今いくらで出ているか)
- 価格帯ごとの反響(どの価格帯で問い合わせが増えるか)
これらを示さずに提示される価格は、仲介会社にとって”都合のいい数字”であると疑ってもよいでしょう
根拠のある査定は、売主が自分で判断するための材料になります
根拠のない査定は、仲介会社が契約を取るための道具でしかありません
私が実際に取った行動──「売る・売らないを決めない前提」で査定する
今回、私は売る・売らないを決めない前提で査定を依頼しました
その際に重視したのは、片手仲介(売主側だけを担当する形態)を基本方針としている会社を選ぶことでした
両手取引を前提としない会社であれば、囲い込みが構造的に起きにくくなります
結果として、
- 相場観を客観的に把握できた
- 売却時期を冷静に考えられた
- 主導権が常に自分にある状態を保てた
と感じています
査定をしたからといって売却しなければならないわけではありません
売却の主導権は、最初から売主にあります
少なくとも私は「今は売らない」という選択肢を残したまま、相場を知るところから始めました
私が片手仲介の方針で選んだ会社はこちらです:不動産を高く売却するなら【SREリアルティ】
囲い込みを完全に避けることはできるのか?
正直に言えば、囲い込みを「ゼロ」にすることは簡単ではありません
仲介会社にとって両手取引は利益を最大化する合理的な行動であり、業界構造そのものが変わらない限り、囲い込みのリスクは常に存在します
ただし、
- 仕組みを知る
- 初期対応を見る
- 主導権を手放さない
この3点を意識するだけで、不利な売却になる確率は大きく下げられます
重要なのは、
「どこで売るか」よりも
「どう判断するか」です
もし今、売るかどうかで迷っているなら——
その状態自体が「考える材料を集める段階」にあるタイミングだと思います
まとめ:結論を急がないという選択
マンション売却は、人生の中でも数少ない”大きな判断”のひとつです
だからこそ、
- 焦らない
- 比較する
- 立ち止まる
という選択肢を最初から持っておいて損はありません
一方で、すでに売却を検討していたり、すでに媒介契約を結んでいる場合は「今の進め方で大丈夫か」を一度確認しておくことが大切です
次の記事では、売主の立場で今すぐ確認できるチェックリストをまとめています
この記事が「今すぐ売らない人」のお役に立てば幸いです
最後までお読みいただきありがとうございました
